今回の主役は火星です。
マルスと呼ばれる火星。語源はローマ神話で、戦いと農耕の神として崇拝されました。ここからもわかるように本来、火星はバイタリティー、行動力、戦闘意欲、熱血漢を表します。それは裏返すと暴力、口論、喧嘩、突発事故の象徴とされ、占星術ではトラブルをひきおこす凶星と不名誉な評価をえることになりました。
とはいっても勝利に導く行動力は物事の達成に貢献するのはいうまでもありません。何事も行動しないで成就することはないのですから。
というわけで西洋占星術では、火星本体よりはアスペクトによって、幸運を運ぶか、試練となるかを見分けます。
例えば幸運に作用する場合は、火星が最も力を発揮するとされる牡羊座、蠍座、山羊座の3つのサインにいて、吉のアスペクトを形成している時です。さらに火星がアンギュラーハウス(第1、4、7、10ハウス)にいると幸運はさらに倍増します。
一方、サインが強力であるなら、たとえスクエアといつた凶のアスペクトであっても、困難や周囲の反対を乗り越えて、願望を達成することができます。
反対にスクエアとなると位置するハウスの事柄のトラブルがつきまといます。
第1ハウス 口論、喧嘩、事故に巻き込まれやすい
第2ハウス お金にまつわるトラブル。貸借関係に注意。 高額収入と同時に、多額の負債、出費。
第3ハウス 親戚、兄弟間の争い、交通事故。
第4ハウス 家庭内不和。土地、家屋をめぐるトラブル
第5ハウス 子供との争い。恋愛事件、教育をめぐるいさかい。ギャンブルの損失
第6ハウス 健康問題、職場内のトラブル
第7ハウス 結婚生活、ビジネスパートナーとの不調和
第8ハウス 遺産をめぐる争い 交通事故
第9ハウス 外国に関連したトラブル
第10ハウス ビジネス上のトラブル、訴訟事件
第11ハウス 団体の運営をめぐる対立。友人間のトラブル
第12ハウス 秘密にしておきたい事柄の露見。ストーカー、匿名の姿なき攻撃
以上がおきやすいトラブルですが。コンジャンクションの場合には、相手の天体の特質にエネルギーを与えるというメリットもあります。例えば月とコンジャンクションであるなら、旺盛な想像力となって現れます。また金星なら一目ぼれ、大恋愛です。水星なら頭脳プレーが得意なので、職種は頭脳を使う仕事。特に語学関係がおすすめです。
天体は単体では役割を果たすことはできません。他の天体とのアスペクトが組まれてこそ、力を発揮するのです。ですから木星が何のアスペクトを組んでいないと大変もったいない宝の持ち腐れです。
取り返しのつかない事態を回避するためにも、年ごとの運勢をソーラーリターンで占って把握することをお勧めします。
この占い方法は、誕生時の太陽の位置に戻った時の天体の配置をみてその年を占う占術方法ですが、大変的中率が高いので、1年の予想がつき、大変役にたちます。
ホロスコープを描いたら、火星がどの位置にあるか見てください。アンギュラーハウスにあるか、好アスぺクトなら、迷わず温めてきた計画を行動に移しましょう。チャンス到来を示すサインです。その反対にハードアスクトなら要注意です。
特にハウスカスプといわれるハウスが始まる線上にある時は、幸運、不運いずれにしても大きな出来事があります。
たとえば木星が第2ハウスカスプにいて火星と吉のアスペクトなら、大金が転がり込みます。また金星が第5ハウカスプにいて、火星と吉角度なら大恋愛のシグナルです。第10ハウスに火星がいて、木星、天王星と吉のアスペクトなら、大昇進、大抜擢があるでしょう。脚光を浴びる大躍進の時です。
反対に凶角度の際には要注意です。
例えばアセンダント(第1ハウス)上に火星があって、天王星と凶角度を形成しているなら、予想もしないトラブルにまきこまれます。先にあげた幸運の作用の真逆の事態に襲われると考えて、被害を最小限度にとどめる処置をしてください。
第2ハウスに火星がある時には金銭とトラブルなので、火種を蒔くような行為は慎むべきです。また第5ハウスと第2ハウスが絡んで凶のアスぺクトなら、投機、株の売買は要注意なので、早めに手を打って最悪の事態に備えてください。
また第5ハウスに火星があって金星と凶のアスペクトなら、恋人がいる人にとっては要注意です。恋愛に黄信号が灯り、恋人との関係がギクシャクしたものもになるでしょう。
第7ハウスに天王星や海王星があり、火星と凶アスペクト、またその反対なら不倫が浮上し、結婚生活にひびが入りごたごたします。